パトリック・メッシーナは、現代を代表するクラリネット奏者としてオーケストラや聴衆によく知られている。2003年、クルト・マズアが指揮するフランス国立管弦楽団の首席クラリネット奏者に就任した。1996年から2003年まで、ジェイムズ・レヴァイン、ワレリー・ゲルギエフ、レナード・スラットキンが指揮するニューヨークのメトロポリタン・オペラで活動したほか、クルト・マズア、ベイナルト・ハイティンクhttps://ja.wikipedia.org/wiki/ベルナルト・ハイティンクらが指揮する、アムステルダムのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団やシカゴ交響楽団などの世界最高峰のオーケストラに、ゲスト首席クラリネット奏者として定期的に招かれた。

主要オーケストラのソリストとしても活躍しており、これまでにリッカルド・ムーティ、トレヴァー・ピノック、ベルナルト・ハイティンク、ユーディ・メニューイン、タン・ドゥン、ダニエレ・ガッティ、サッシャ・ゲッツェル、アントン・ナヌート、クリスチャン・ヤルヴィ、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン、サッシャ・ゲッツェル、ジョン・アクセルロッドなどの指揮の下、ヒューストン交響楽団、フランス国立管弦楽団、カンヌ国際映画祭管弦楽団、Philharmonie der Nationen、イル・ド・フランス国立管弦楽団、トゥールーズ室内管弦楽団、パリ管弦楽団、紀尾井ホール室内管弦楽団（東京）、ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団などと共演してきた。

熱心な室内楽奏者であるメッシーナは、エディタ・グルベローヴァ、ダニエル・ホープ、ブルーノ・ジュランナ、ジャン＝イヴ・ティボーデ、ロジェ・ムラロ、カティア＆マリエル・ラベック、ゴーティエ・カプソンといった著名なアーティストや、フィルハーモニア・カルテット ベルリン（ベルリン・フィル）、フォーグラー、パーカー、ディオティマ、パリジイ、アロン、ドビュッシー、エリゼ、ファイン・アーツといった偉大な弦楽四重奏団と定期的に共演している。

彼はこれまでに、メクレンブルク＝フォアポンメルン、グシュタード、スポレート、シュレスヴィヒ＝ホルシュタイン、サヴァンナ、ミッテ・エウロパ、パブロ・カザルス、イスタンブール、マントン、ヴィッセンブルク、ベルリオーズなど、名高い音楽祭で演奏してきた。パトリック・メッシーナは数々の賞を受賞している。1992年、ユーディ・メニューイン財団の受賞者となった。1996年にはニューヨークのイースト＆ウエスト国際オーディションとヒューストンのイマ・ホッグ・ナショナル・コンクールで第1位を獲得した。1998年、ハイダ・ヘルマンス国際コンクール第1位を獲得。若干18歳で、パリ国立高等音楽院の室内楽部門とクラリネット部門で優勝した。

2010年、パトリック・メッシーナは、オラーリ・エルツの指揮の下、アンサンブル・オルケストラル・ド・パリと、フランス系リビア人作曲家ビシャーラ・エル＝コーリーのクラリネット協奏曲『秋の絵』をシャトレ劇場で初演した（CD Naxos、2014年）。

また同年、パトリック・メッシーナはロンドンの王立音楽アカデミーの客員教授に任命された。

2012年には、リッカルド・ムーティ、フランス国立管弦楽団、フィルハーモニア・カルテット・ベルリン（ハルモニア・ムンディ管弦楽団）と共に演奏したモーツァルト作品のCDをリリースし、高い評価を得た。それは以下のような称賛を受けている。

「過去20年間における素晴らしいパフォーマンスの1つ」(Concertonet)

“メッシーナが世の中を騒がせているものが何なのかここでわかるだろう。このアルバムは、クラリネットの一大才能の到来を告げるものだ」（Allmusic）

2017年以来、パトリックはAparté Recordレーベルと提携している。同レーベルで、ピアニストのファブリツィオ・キオヴェッタとシューマンのアルバム『クラリネットのための音楽』を録音した。このCDは大成功を収め、Diapason (5******)やMusica (5******)などの雑誌で高い評価を得た。

最近では、アルヴォ・ペルトとJan Räätsの作品の世界初録音２つを収録した20世紀音楽アルバム『Kaleidoscopic』が、ピチカート誌で5つ星、クラシカ誌で権威ある「ショック賞」を獲得した。

フランスのニースでシチリア人とスペイン人の両親の間に生まれたパトリックは、自身もクラリネット奏者である父アルド・メッシーナのもとでレッスンを受け始め、パリ音楽院でギー・ドプリュ、ミシェル・アリニョン、クリーブランド音楽院でフランクリン・コーエン、ニューヨークのマネス音楽院でリカルド・モラレスに師事した。パトリック・メッシーナは、パリのエコール・ノルマル音楽院およびエクス＝アン＝プロヴァンスのIESM（高等音楽教育学院）の教授である。

パトリックはまた、ロンドンの王立音楽アカデミーの名誉会員でもあり、同アカデミーで2011年より客員教授を務めている。