ヴァイオリン奏者のバルナバーシュ・ケレメンは、その名手テクニック、ダイナミックで情熱的な演奏スタイルで、世界で最も有名なコンサートホールの数々で演奏してきた。多才でオープンマインドな彼は、優れたソリストおよび室内楽奏者であるだけでなく、音楽祭の芸術監督や有名な機関の教師でもある。近年彼は指揮者としても活動している。
彼の卓越したスタイル感と総合的な技術力により、バルナバーシュ・ケレメンは、ヴァイオリンのために書かれた全曲目録を自信を持ってナビゲートする。その結果彼のレパートリーは非常に多様で、彼は初期バロック、古典、そしてロマン派の作品を、20世紀の作品と同じくらい忠実に演奏する。彼はまた、クルターグ、リゲティ、シュニトケ、グバイドゥーリナ、スティーヴ・ライヒ、ライアン・ウィグルスワースの作品を世界初演またはハンガリー初演するなど、現代音楽の熱心な提唱者でもある。
彼は、カーネギー・ホール、コンセルトヘボウ、ロイヤル・フェスティバル・ホール、リール宮殿美術館、サントリーホール、ベルリン・フィルハーモニーなどの世界の有名なコンサート会場の数々で定期的に演奏している。彼は、著名なアンサンブルに、頻繁に客演奏者として招待されている。その中には、BBC交響楽団、ブダペスト祝祭管弦楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、エストニア国立交響楽団、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団、香港フィルハーモニー管弦楽団、インディアナポリス交響楽団、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団が含まれる。
バルナバーシュ・ケレメンは、ロリン・マゼール、サー・ネヴィル・マリナー、ウラディーミル・ミハイロヴィチ、マレク・ヤノフスキ、マイケル・スターン、クシシュトフ・ウルバンスキ、コチシュ・ゾルターン、エトヴェシュ・ペーテル、イヴァン・フィッシャーなどの指揮者と共演している。彼自身もまた熱心な指揮者であり、最近のシーズンでは、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、インディアナポリス交響楽団、イスラエル室内管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、そしてハンガリーのソンバトヘイ 、ジェール、ペーチの交響楽団を指揮した。これらすべてに加えて、彼は繊細で経験豊富な室内楽奏者であり、デジュー・ラーンキ、スティーヴン・イッサーリス、ミクローシュ・ペレーニ、アリーナ・イブラギモヴァ、ヴィルデ・フラング、ホセ・ガヤルド、アンドレアス・オッテンザマーのようなアーティストと共演してきた。
コチシュ・ゾルターンの後援の下で制作されたアルバムシリーズで、バルトークのヴァイオリンのための作品のすべてを録音したのは、バルナバーシュ・ケレメンであった。その多くは国際的な称賛を受け、特に『ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第1番、第2番』(フィーチャリング コチシュ)及び『無伴奏ヴァイオリン・ソナタ』から成る彼のCDは、2013年グラモフォン賞を受賞した。2001年にゲルゲイ・ボガーニと共演した、リストの『ヴァイオリンとピアノのための作品集』のアルバムは、国際リスト協会によりフランスディスク大賞を授与された。一方で2003年には、ディアパソン誌が、ケレメンとヴァーシャーリ・タマーシュによるブラームスの『ヴァイオリンとピアノためのソナタ』の録音に、影響力のあるディアパゾン・ドール賞を呈した。これまでに、彼は合計20枚のアルバム(17枚はソロで、3枚は彼の四重奏団で演奏)、及びモーツァルトの『ヴァイオリン協奏曲全集』の生演奏の2枚入りDVDをリリースした。
2020年にアルファ・レコードよりリリースされた彼のアルバムは、シャーンドル・ヴェレシュの『弦楽三重奏曲』及びバルトーク・ベーラの『ピアノ五重奏曲 ハ長調』をフィーチャーし、BBCミュージック・マガジン・アワードで部門賞を受賞した。
バルナバーシュ・ケレメンは、権威のあるコンクールで優れた結果を収めており、その中には、1999年のザルツブルクでのモーツァルトヴァイオリン国際コンクール及び2002年のインディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクールでの1位の受賞、そして2001年のブリュッセルのエリザベート王妃国際音楽コンクールでの3位の受賞が含まれる。彼の芸術性は、専門家や国家栄誉により認められている。彼は、リスト賞、バルトーク・パーストリ賞、コシュート賞、プリマ賞、そしてグラモフォン賞を受賞しており、ハンガリー国騎士十字功労勲章の保持者である。
バルナバーシュ・ケレメンは、Valéria Baranyaiの下でヴァイオリンを学び始め、エステール・ペレーニの生徒として、2001年にリスト・フェレンツ音楽大学を卒業した。彼は、後の教師である、アイザック・スターン、フェレンツ・ラドシュ、ゾルタン・コチシュから多大な影響を受けた。彼は、フィンランドの伝統の巨匠2人、レイフ・セーゲルスタム及びヨルマ・パヌラから指揮を学んだ。彼は現在、2つの著名な機関、ブダペストのリスト・フェレンツ音楽大学及びケルン大学で教授を務めている。
カタリン・コカスと共に、彼はフェスティバル・アカデミー・ブダペストの室内楽音楽祭の創始者及び芸術監督である。その音楽祭は定期的に、ヴィルデ・フラング、マキシム・リザノフ、シュロモ・ミンツ、ジョシュア・ベルのようなアーティストをフィーチャーしている。2010年から2018年まで、彼はケレメン四重奏団のリーダーを務めた。ケレメン四重奏団は、2人の新メンバー、ヴァイオリン奏者のジョニアン・イリアス・カデシャとチェロ奏者のヴァシュティ・ハンターが加わり、3年ぶりに復活した。同四重奏団の初演は、5月にブタペスト・スプリング・フェスティバルで行われる予定である。
バルナバーシュ・ケレメンは、ハンガリー国家によって寛大に貸与された、1974年グァルネリ・デル・ジェス製作のヴァイオリン「ex-Dénes Kovács」で演奏している。
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